2017年3月29日水曜日

環境汚染物質の害を軽減する食事

グリーンランドの雪や氷を調べると、ある種の汚染物質の地球規模での汚染の実態が経年的につかむことができます。たとえば鉛は人体にとりこまれた場合には神経を冒す有害金属ですが、3000年ごろと現在を比べると水中の量が200倍になっています。

18紀頃から次第に増えはじめ、1950年以降爆発的に増加した結果です。

グリーンランドのような北辺の地でそうなのですから、産業が高度化した先進諸国の汚染の程度は想像に余りあるのは言うまでもありません。1950年以降、急カーブで増えたのは車に使う鉛入りのガソリンのせいだと考えられているのですが、これが空気で運ばれてグリーンランドや北極の氷まですでに汚染させています。

鉛が体内に多くとりこまれるとさまざまな障害を起こしますが、その初期の徴候は見過ごされています。

患者の愁訴の内容が漠然としていて、多くの場合、他の問題と重なっているために医師は誤った診断をしがちです。

初期の症状をあげてみると、頭痛、疲労、筋肉痛、消化不良、震え、便秘、吐き気、貧血、血色の悪さ、めまいなどです。

そういう症状が出る前の、もっと低レベルの鉛毒によって起こるのは知能の低下で、注意力が散漫になり、記憶力が落ちてしまうのです。

ハーバード大学のニードルマン博士はボストンに住む2146名の小学生を対象にその調査を行っています。自然に抜け落ちた乳歯にふくまれている鉛の量を調べ子供の知能との間の関係を確かめました。その結果、鉛の量の多い子供ほどIQのスコアが低いことがわかっています。

どのくらい鉛を体内にとりこんでいるかは毛髪分析によってある程度つかむことができるのですが、アメリカで行われた毛髪分析の結果では、大都市に住む子供の4割は鉛の数値が高く、鉛毒による健康上の問題をひき起こしていると考えられています。同じ環境のなかにいても、子供にその害が大きく出てくるのは吸収がよいからでしょう。大人は摂取した鉛の5~10%しか吸収しないのに対して、子供は30~50% も吸収してしまうのです。

といっても大人だからといって安心していいわけではない。なにしろアメリカだけでも年間に130万トンの鉛が消費されており、少なくとも60万トンが大気に入って環境を汚染しているのです。

体内の鉛の量が増えると腎臓がダメージを受け、免疫力が低下し、白血病などの癌のリスクが高まります。そして神経にも障害が及ぶのです。

あるハリウッド女優のケースです。40を過ぎた頃から痩せはじめ、赤褐色だった彼女の髪は暗褐色になり、やがて黒くなり、そして抜けていきました。。22名もの医者に診てもらったけれども原因がつかめず、病名だけはさまざまにつけられました。結核、プラズマ病、白血病、紅斑性狼瘡、リウマチ性関節炎、精神神経症。数年間のあいだに実に340回もレントゲン検査を受けた結果です。

鉛毒に気づいたのは23人目の医者でしたが、そのときはすでに彼女の白血病は末期に近く、治療の甲斐なく死亡しています。

知っておきたい危ない化学物質

まだ汚染が進んでいる以上、この鉛の害は増えることはあっても減ることはないのですが一体、われわれはどうしたらいいのでしょう?。

1つは解毒に働く栄養素が十分にとれる食事にすることでしょう。体内の鉛を体外に出す働きをする栄養素と、摂取した鉛を吸収させないようにする栄養素、つまり食物繊、、鉄、ビタミンC 、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鋼、クローム、ビタミンB 群です。

鉄と鉛との間には干渉関係があって、一方がたくさん存在していると一方が減ります。つまり、鉄が鉛の害を軽減するのだ。同様の関係は亜鉛とカドミウムの間にもあって、亜鉛はカドミウムの害を軽減する。逆にそういう栄養素を欠乏させる食事をつづけている人は、環境汚染の害を大きく受けることになります。


「化学物質過敏症」について

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